昨年のゴールデンウィークのことでした。連休を利用してベランダの掃除をしようと思い立った私は、エアコンの室外機の裏側に、直径三センチほどの奇妙な塊を見つけました。グレーの和紙のような質感で、規則正しい六角形の穴がいくつか見えていました。よく見ると、足の長いハチが一匹、その塊に執着するように止まっています。調べてみると、それがアシナガバチの活動時期の初期段階、まさに営巣を開始した直後の姿であることを知りました。四月から五月にかけて、女王蜂が一匹で孤独に帝国を築き始めるという話は聞いていましたが、まさか自分の家の、しかも毎日洗濯物を干す場所が選ばれるとは思ってもみませんでした。あの時、もし私がその小さな塊を「ただの汚れ」だと思って放置していたら、夏には恐ろしい数のハチがベランダを占拠していたことでしょう。アシナガバチの活動時期について詳しく調べを進めるうちに、私はこの時期の女王蜂がいかに必死に命を繋ごうとしているかを知り、少しだけ複雑な気持ちになりました。しかし、小さな子供がいるわが家の安全を考えると、共生は不可能です。私は夕暮れ時、女王蜂が巣に戻って静かになったタイミングを見計らい、市販の駆除スプレーを手に取りました。一匹しかいないとはいえ、心臓はバクバクと鳴り、手が震えたのを覚えています。意を決して噴射した薬剤が命中し、女王蜂が力なく地面に落ちたとき、安堵とともに一つの命のサイクルを断ち切ったことへの重みを感じました。この経験から学んだ最大の教訓は、春先の「視線の配り方」がいかに重要かということです。四月のうららかな陽気に誘われて外に出るのは、人間だけではありません。ハチもまた、最高の不動産物件を求めて私たちの住まいを偵察しているのです。今では毎年三月が終わる頃になると、私はベランダの隅々まで目を皿のようにして点検するようになりました。あの小さな「逆トックリ」を見逃さないことが、穏やかな夏を過ごすための自分への約束事になっています。アシナガバチの活動時期を知ることは、単なる知識ではなく、大切な家族と平穏な暮らしを守るための具体的な「自衛の指針」なのだと、今では確信しています。また、秋口になってハチの姿が消えた後、空になった巣を取り除きながら、彼らが駆け抜けた短い一生に思いを馳せることも、私にとっての新しい季節の儀式となりました。
ベランダの異変で知ったアシナガバチの活動時期